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高齢者の転倒死増える=筋力低下やバランスに注意
ニッケイ新聞 2010年7月29日付け
高齢者の事故死の原因で最も多いのは転倒で、2000年には10万人に7・6人だった転倒死が08年は10万人に28・4人に急増と24日付アゴーラ紙が報じた。
同期間中の60歳以上の人口は331万6957人から436万2402人に増え、平均寿命も70・5歳から72・9歳に伸びているが、高齢化が進むと共に増えるのが、筋力やバランス感覚の低下だ。
例えば、過去1年間に1回以上転んだ経験がある人は、60歳代では3人に1人だが、80歳代になると50%に上昇。高齢者が転倒した場合、5%は骨折を起こし、大たい骨が折れた場合、4人に1人が1年以内に死亡するという。
高齢者の場合、骨折に伴って寝たきりになる事が怖いが、家の中での転倒を避けるには、室内の照明に気をつけ、床材は滑りにくいものにする、障害物はなるべく置かない、階段や浴室などに手すりをつける、カーペットは敷かない、よく使う品物は手の届きやすい場所に置くなどの工夫が有効。屋外では、犬の糞の処理や植木鉢の置き場に注意する事も必要だ。
高齢者の場合は歩行時も足を持ち上げなくなりがちで、路面の凹凸やカーペットなど、1センチの段差も転倒の原因となりかねない。
バランスも崩しやすくなるため、椅子などに上らない、ズボン着用時は椅子に腰掛けるなどのほか、血圧の変化などを招きやすい食材多用への注意も挙げられている。