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電子工学アートを体感=パウリスタ大通りで開催中=見て、触れて、楽しめる!

ニッケイ新聞 2010年7月30日付け

 サンパウロ市パウリスタ大通りでは27日より第11回を数える国際電子工学アート祭(FILE)が開催されている。国内、アメリカ、日本から集まった光、音楽、映像を組み合わせた12作品が展示され、8月末まで公開される予定。27日付伯メディアがその様子を紹介した。
 一般の芸術展とは一味違う同祭は、目で見るだけではなく〃触って〃も〃乗って〃も体験できるもの。公共の空間と芸術との対話が謳われた今回の芸術祭では、初めての試みとして、建物内だけではなく大通りにまで作品が飛び出した。
 FILE開催を準備したパウラ・ペリシノットさんは、「邪魔することなく自然に街の中に芸術を溶け込ませたかった」と説明し「普段、芸術展に足を運ばない人にも芸術を楽しんでほしい」と紹介している。
 注目されるのが大通りを巡回する音響付きバス「Omnibusonia Paulista」で、これも展示作品の1つ。MASP(サンパウロ美術館)前を通過する際には、1960年代のMASP完成当時にサンパウロ市に滞在していた英国の女王エリザベス二世の声が聞こえてくるなど、GPS操作で通る先々でおもしろい音声や音楽の仕掛けが用意されている。
 MASP前には、「Infinito ao Cubo(立体の無限性)」という題名が付けられた高さ3メートルにわたる金属とガラスで作られた立体鏡が登場。それは万華鏡のようで、鏡に映りこんだ通行人たちは、あたかも空中に浮いているような不思議な感覚を味わうことができる。
 コンジュント・ナシオナルに用意されたのは、長さ20メートルにわたる鉄の絨毯。その絨毯では電子工学の技術を駆使したウェーブが作り出されるなど、子供にも人気なようだ。
 全ての作品が鑑賞無料。主な展示会場は、MASP、FIESP、書店FNAC、コンジュント・ナシオナルのほか、パウリスタ大通りを通る地下鉄緑線のパライーゾ駅からコンソラソン駅間の各駅。
 同祭は8月29日までの開催予定だが、作品の展示期間は作品ごとに異なるようだ。プログラムの詳細は、サイト(www.file.org.br)まで。