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期限超過で建築未完成=不動産ブームで苦情殺到

ニッケイ新聞 2010年8月10日付け

 今年初め、サンパウロ市では不動産販売が記録的な数字を打ち出していたが、その反動で完成予定日を過ぎても建築物が未完成といったケースが増加している。8日付エスタード紙が報じた。
 ブラジル資産調査社の調べによれば、需要拡大に伴い、今年1~3月のサンパウロ大都市圏の新築家屋は1万4219件。その数は前年同期比の3倍で、08年の不動産ブームをも超す勢いとなっていた。
 こういった不動産ブームの拡大に伴って表面化してきた問題は、労働力・建築材料の不足、建築許可の法的手続きの延滞など。こういった要因により契約した納入期限を過ぎても建設工事が完了しないという例が増加し、消費者保護センターには建設業社に対する苦情が殺到している。
 消費者保護・動向研究所(IBEDEC)によれば、今年1月から7月10日にかけての不動産関係の苦情は前年同期比の4倍。そのうち7割が期限超過後も未完の工事に関するもの、残り3割が建築物の欠陥に関するものとなっている。
 多くの企業が半年間の期限延長を主張しているようだが、消費者保護センターによれば、こういった延滞は労働者のストライキや洪水といった偶発的な要因が伴わない限りは不法。消費者側には、企業を訴え賠償金を求める権利が生じる。
 一方、労働需要が増加している建築業界の7月の月給は平均888レアルで、工業分野の858レアル、サービス業界の872・5レアルを超えるものとなった。
 7日付エスタード紙によると、住宅購入価格が安く、住環境も良いサントアンドレやサンベルナルド・ド・カンポ、サンカエタノ、ジアデマ、オザスコ、グアルーリョスのABCDOGに新居を求めるサンパウロ市民が増えているという。

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