ニッケイ新聞 2010年8月11日付け
サンパウロ州レジストロ市で7 日にあった『第2回灯ろう流し』。600人もの公立校の生徒が「TOORO NAGASHI」とプリントされたTシャツを着て、日本語で鎮魂歌をコーラスした。彼らが作った400基の灯ろうが流されたが、不思議な現象が関係者らを驚かせた▼灯ろうが川下からの風に煽られ、川岸で見物していた参加者らの前に集まった。半世紀以上続く11月の灯ろう流しでもかつてなかったことだという。「原爆で亡くなった人たちが『ありがとう』って喜んでくれたように見えたよね」と話すのは、レジストロ日伯文化協会の金子国栄会長▼前日6日付けの週刊地元紙「JORNAL REGIONAL」では同イベントの記事が大きく紹介されると共に、日系コロニアのニュース欄が8年3カ月の歴史に幕を下ろした。日ポ両語で原稿を書き続けたのは金子さん。全くのボランティアだったというのだから頭が下がる▼今さらながら同地における日系コロニアの存在感の大きさを再認識。打ち切りの理由はどうやら広告主の問題らしいが、2013年の入植100周年に向けた実行委員会も立ち上がっただけに何とも勿体ない。まあ関連事業はコロニアを越えたニュースになるのだろうが▼最後の記事はクリチーバであった全伯歌謡祭。「毎週丸1日かけ頭の疲れを取りながら、原稿に取り組んだ」と金子さん。「残念だが半分ほっとした。ようやく聖南西実態調査の仕上げに取り掛かれる」と意気軒昻。ちなみに本紙投稿欄『ぷらっさ』の常連でレジストロニュースも寄せる筆達者だ。さらなる健筆を期待するとともに、ご苦様でしたと申し上げたい。(剛)