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公私混同で職権を乱用=地裁判事が公用車超過利用=選挙運動にも目立つ不正行為

ニッケイ新聞 2010年8月13日付け

 9日付エスタード紙によると、サンパウロ連邦地方裁判所(TRF)判事らが公用車を私的に使い回していたことが判明し強い批判が出ているほか、7月の伯字紙面では勤務時間内の公職員の選挙キャンペーン動員疑惑が浮上しており、政治家、公職員らの公私混同や職権乱用が取り沙汰されている。
 サンパウロ連邦地裁で内部監査が入ったのは今年3月で、7月に調査報告がまとめられた。報告によれば、判事らに使用が許されていたTRFのプレート付きのカローラやプジョーなどの専用車が、週末や休日、さらに当人の休暇期間にまで使用されていたことが発覚している。
 9日付エスタード紙では約10人の判事の名前が挙げられており、休暇中に2万5500キロの距離を移動したエヴァ・レジーナ判事、週末に850キロ走行の出張を30回以上繰り返していたバプチスタ・ペレイラ判事、213キロ走行の出張が72回あったネルソン・ベルナンデス判事などに疑惑の目が向けられる。
 公用車は、週末や休暇中の旅行に不正に使用されていたと考えられる。車両が真夜中に地裁に出入りすること、1日以上車庫に戻らないことも日常茶飯事だったようだ。判事たちは公務での利用だったと主張しているものの、批判の声は強く、今後の公用車使用は厳しい監査のもとで行われることになりそうだ。
 また、最近騒がれている公私混同問題は、白熱する選挙キャンペーンにおいて公職員が業務時間内に後援活動に携わっているという不正疑惑。
 7月末には、州知事選候補のアロイジオ・メルカダンテ氏(PT)と上院選再選を目指すロメウ・トゥーマ氏(PTB)の事務所で上院に所属する公職員らを選挙運動に動員していた可能性が浮上。それぞれ16人、15人の補佐役を率いていたメルカダンテ、トゥーマ両候補に対して検察庁の捜査が行われることが発表されていた。
 一方、大統領候補として名乗りをあげるマリーナ・シルヴァ氏は、7月29日サンパウロ州バウルーで行った選挙運動において、国会の中断期間中に同氏の選挙運動に加わった2人の上院職員の退場を指示。「公務と政党の活動とを混同してはいけない」と確固とした立場を示している。

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