ニッケイ新聞 2010年8月14日付け
連邦貯蓄銀行(カイシャ)が政府に都合の悪いデータ公表を避けていたと13日付フォーリャ紙が報じた。
労働者党の大統領候補であるジウマ・ロウセフ元官房長官提唱の「ミーニャ・カーザ、ミーニャ・ヴィダ(我が家、我が人生)」計画に含まれる家屋購買契約について、契約件数と購入者の所得を併記したデータはないとしていた点だ。
家を持っていない人が自分の家を持てるよう、今年末までに100万軒の契約成立を目指す計画だが、自分の家がない人の9割を占める3最低賃金以下の人向け家屋の建築目標数は40万軒。
一方、6月末迄の実績は、建築済みの24万569軒中93%で売買交渉を開始したものの、契約成立は1・2%、鍵が渡された家屋は0・23%の565軒のみ。
これに対し、6最低賃金までの人用家屋21万4486軒は交渉開始89・4%で、契約成立59・7%。6~10最低賃金の人用家屋6万5888軒は、交渉開始が68・3%で、契約成立は10・8%。
全体では、52万943件中88・5%で交渉が始開始され、契約成立26・4%。鍵が手渡された家は、3最低賃金以下565軒、6最低賃金以下11万8108軒、10最低賃金以下6762軒で、計12万5435軒となっている。
実際には存在している数字を存在していないとしたカイシャの発表は、現実を曲げ、国民を欺くもので、広報活動の原則に反する行為だ。
ジウマ氏が選挙戦でも提唱している政策故に当初の目標には遠い数字の公表回避というなら、イタリアから要求されているバチスチ氏の身柄引渡しや戦闘機購入など、選挙に影響しそうな問題決定をルーラ大統領が先延ばしとの6日付エスタード紙の記事同様の政治的操作がされた事になる。