ニッケイ新聞 2010年8月17日付け
8月9~12日に行われたダッタフォーリャによる大統領選支持率調査で、労働者党(PT)のジウマ・ロウセフ氏が41%を獲得し、33%だった民主社会党(PSDB)のジョゼ・セーラ氏に8ポイントの差をつけたと14日付伯字紙が報じた。緑の党(PV)のマリーナ・シウヴァ氏支持率は10%だった。
バンジ局の公開討論とグローボ局の個別インタビュー終了後初めての調査は、全国1万856人の有権者を対象に行われたもので、ジウマ氏支持率が7月20~23日調査時の37%から41%に上昇した一方、セーラ氏のそれは36%から33%に下降。マリーナ氏の支持率は10%を維持している。
統計上の誤差は上下2%で、ダッタフォーリャの調査としては初めて、ジウマ氏が単独リードを奪った形となった。
調査結果については、グローボ局の個別インタビュー(9~11日)終了を待たずに始められたためジウマ氏に有利に働いたとの声もあるが、調査担当者は、聞き取り調査の半分は12日に行われており、9~11日に行った調査結果との差はないという。
フォーリャ紙が15、16日に掲載した同調査関係のデータも総合してみると、ジウマ氏のリードが広がった最大の理由は、同氏こそルーラ大統領が後継者として選んだ人物との認識が広がってきた事で、同氏を支持すると答えた人の8割は、実際の投票でも同氏に投じる事を決めている。
これに対し、セーラ氏を支持すると答えた人の中には、未だにルーラ大統領が選んだ人物に投票すると答えている人が居り、実際の投票でもセーラ氏に投じると決めている人は7割。マリーナ氏の支持者でも、同氏への投票を決めている人は59%のみだった。
また、従来はセーラ氏優位だった南東伯でもジウマ氏の支持が伸びており、前回調査のリオ州に続き、今回はミナス州でもジウマ優位の結果。
セーラ氏が依然として優位なのは南伯だが、ここでも両者の差が縮まっており、従来からジウマ氏優位の北東伯、北伯でのジウマ氏支持率上昇と共に、セーラ氏には頭の痛い結果といえそうだ。
今回の調査では収入や学歴別の各層でもジウマ氏支持が拡大し、セーラ氏優位が続いたのは10最低賃金以上の収入を得ている層のみで、セーラ氏支持者が多かった女性でも、35%の同率支持を記録した。
また、ジウマ氏対セーラ氏で決選投票を行った場合の支持率は49%対41%で、こちらもジウマ氏優位との結果だ。
17日からのテレビ無料放送持ち時間も、7分19秒のセーラ氏や1分23秒のマリーナ氏に対し、10分39秒のジウマ氏が圧倒的に有利だけに、第一次投票で次期大統領確定との見方も強まってきているようだ。