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TAMとLAN合併へ=南米一の航空会社が誕生=相乗効果で4億ドル生み出し

ニッケイ新聞 2010年8月17日付け

 国内最大手の航空会社TAMとチリのLAMが株式交換方式で合併し、ホールディング会社LATAMエアラインズ・グループを発足させるとの意向を13日に発表した。年間90億米ドル規模の収益をあげる南米最大の航空会社が誕生し、相乗効果で年間4億米ドルの収入増が期待されている。14、15日付伯字紙が報じた。
 合併案は、TAMを創始したアマーロ家とLAMを経営するクエト家間で6年前よりあがっていたもの。今回の協力体制の確立では、より経営規模の小さいLANがTAMに20%出資して拒否権を有し、LANのTAM運営への参加が図られる。
 TAMの株主は、TAM株1株をLAN株0・90株と交換することになり、交換株式が完了すれば、LATAMの株式は、LAMが70・67%、TAMが29・33%を所有することになる。LATAMは引き続いてサンチアゴ証券取引所、ニューヨーク証券取引所で株式の上場を維持するほか、サンパウロ証券取引所でも上場を図る。
 国内シェア43%を占めるTAMは航空機143機を有し、昨年度の収入は56億8500万米ドル。LANの航空機所有台数は97機で、年間収入は35億1900万米ドルとなる。
 両社の運営を合わせると、23カ国115地域を網羅し、年間に4万人の乗客者数が推定される。旅客輸送能力では、世界18位となる。
 合併後も、2社のブランドは残され、経営は独立したまま継続される予定。現TAM副社長のマウリシオ・アマーロ氏がLATAMの審議会会長を務め、現LAN副社長のエンリケ・クエト氏がLATAMの社長へと就任する。
 今年上半期の赤字は1億177万米ドルにも上ったTAMだが、13日の株式市場では27・64%急伸、LANも7・74%上昇している。合意は今後3カ月以内に成立する見通しだ。
 TAMは、今年5月にはスターアライアンスに正式加盟し、全日空との共同運航便も発表していた。