ブラジル国内ニュース(アーカイブ)

学生向け貸付金で問題=学籍喪失を恐れる生徒も

ニッケイ新聞 2010年8月18日付け

 全国で50万人が登録しているといわれる大学生向けの貸付Fiesで登録システム上の問題が生じ、学籍喪失の危機に直面している学生も出ていると17日付エスタード紙が報じた。
 1999年導入のFies登録者は全国の大学に在籍する学生の約5%で、私立大学の授業料納付が困難な学生にとっては、9%の学生に奨学金を提供している政府プログラムProUniに次ぐ頼みの綱だ。
 貸付金返済利息が6・5%から3・4%に軽減された今年は、3万2千人だった昨年を上回る4万3千人が登録。
 ところが、このFiesに応募したものの、登録段階などで問題が生じて貸付が受けられず、学籍喪失の危機に直面している学生もいる。
 保証人と共に銀行に繰り返し出向いたのに登録できず、授業料全額分の貸付登録更新期間が過ぎたため、学籍剥奪を避けるために父親が親戚を駆け回って金を工面しようとしているルイス・フェルナンド君や、授業料の半額分の貸付登録をしたのに、教育省から連絡がないから当面は授業料を払うよう要請され、6月から全額を支払っているF・B君もその一例だ。
 窮状を訴えたくとも教育省の相談窓口の電話が通じないという苦情も多いが、文部省は、月初めに2億3500万レアルを振り込んでおり、学部の内容が基準に合わないなどの理由以外の問題はない筈と返答。情報処理や大学・学部レベルの問題は管轄外という文部省に対し、連邦貯蓄銀行は貸付登録とその運用は教育省の管轄で、銀行側に責任はないと弁明。昨年末に承認された貸付規定変更に伴い、昨年確認された返済不能者28%という問題とは別のレベルの混乱が生じた様だ。

こちらの記事もどうぞ

Back to top button