ニッケイ新聞 2010年8月18日付け
公立、私立学校間で学力差が顕著になっており、公教育が議論されている。今月の伯字紙面では、今年公立高校からUSP(サンパウロ総合大学)への合格率が入試改革後で最低という暗いニュースが目立った。
そんな折、13日付フォーリャ紙が取り上げたのは、サンパウロ州教育局が小学校の数学補習クラスで出席率が高い生徒に最大50レアルまで支給するというプロジェクト。来月開始を予定していた。
学力向上を狙った施策だろうが、金銭で釣るやり方が真に学習意欲をもたらすだろうか? と疑問を投げかけていたら、やはり反対意見が多かったよう。週明けの紙面では、プロジェクトが先送りされたことが発表されていた。
解決すべき教育問題は山積みなのに、それに立ち向かうべき公の教育機関の機能がこれでは―。なんだか、不安を残す一件に。(裕)