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サンパウロ州知事候補が公開討論=1対2の構図繰返す3人=視聴者もオンラインで参加=応答は国政批判も交えて

ニッケイ新聞 2010年8月19日付け

 統一選に向けたテレビやラジオの無料放送も始まった17日、サンパウロ州ではフォーリャ紙とUOL共催でオンライン公開討論が行われ、サンパウロ州知事選出馬の民主社会党(PSDB)ジェラルド・アウキミン、労働者党(PT)アロイジオ・メルカダンテ、進歩党(PP)セウソ・ルッソマノの3候補が視聴者とも対話をする形で論を戦わせた。

 17日午前中に全伯の口火を切って行われたオンライン公開討論は、インターネットにアクセスしている視聴者からの質問もOKというもので、18日付フォーリャ紙によれば、公開討論中インターネットにアクセスしていた視聴者は7万人を超えていたという。
 討論では12日に行われたバンデイランテスの公開討論同様、アウキミン氏対他の候補の構図が繰返されたが、今回の参加者は、9~12日実施のダッタフォーリャ調査で支持率10%超の3候補のみ(アウキミン氏54%、メルカダンテ氏16%、ルッソマノ氏11%)だった。
 公開討論の主要テーマの一つは治安で、交通対策や教育もそれに続く。大統領選主要候補を抱えるPSDBとPT両党候補の討論は州を超え、連邦政府の行政にも言及。空港拡張や州立銀行などの民営化、国家予算の州への配分などにも話が及んだ。
 国政レベルの話になれば現職大統領批判が飛び出しても当然だが、アウキミン氏は、大統領選候補のジョゼ・セーラ氏同様、ルーラ大統領を直接批判する事は回避。他方、メルカダンテ氏は、ジウマ・ロウセフ氏同様ルーラ大統領のイメージを強調しつつ、カルドーゾ政権やPSDBの州政批判を行った。
 2候補から突き上げられる形だったとはいえ、アウキミン氏は、「他の2人の質問にも答えなければならないので」と視聴者に断りを入れたりとゆとりの対応。3候補とも声を荒げたりする場面はなく、質疑応答も順当に行われた様だ。
 緊張した場面は、自らも公立校で学んだアウキミン氏が、「自分の子供や孫を公立校に入学させる勇気があるか」との問いで答えにつまった場面と、メルカダンテ氏が、「上院疑惑の時ジョゼ・サルネイ議長を擁護したのはなぜか」との問いに、「他党との協力体制抜きでの政権運営はあり得ない」と答えた場面位だったという。
 ルッソマノ氏は地下鉄2線のサントアンドレまでの延長、メルカダンテ氏は4年間で30キロの地下鉄敷設と、いずれも実現困難な公約をした一方、アウキミン氏も、ビデオを使った遠隔裁判の導入や市町村での軍権の役割拡大など、司法当局や市役所の判断に依る部分が大きい公約発表。
 W杯会場が決まらない事も州政府の責任と考えてのPSDB州政批判など的外れな部分もあったが、視聴者からは、自分達も参加できる公開討論を好意的に評価する声が多かった様だ。