急ぐ駅構内バリアフリー=エレベーター設置も不足=14年までの目標達成なるか
ニッケイ新聞 2010年8月19日付け
サンパウロ大都市圏にある地下鉄や電車148駅のうち、エレベーターが設けられているのは、現在のところ73駅にしか過ぎない。2004年の連邦政府の法令を受けた、2014年までに州内全ての駅構内で身体障害者や高齢者のためのバリアフリー設備を整えるというサンパウロ州政府の目標は達成されるのだろうか。17日付エスタード紙が取り上げた。
身体障害者や高齢者の利用を助けるバリアフリー設備には、手すり、点字版地図、音声案内、優先トイレなども含まれるが、現時点では基本設備と考えられるエレベーターでさえ導入されている駅が半数に限られており、スロープが設けられている駅も少ない。
一般の人が多く使用するエスカレーターも、移動に困難を伴う人にとっては、必ずしも役に立っているとは言えないようだ。身体障害を患い、松葉杖が手放せないマリア・ダ・グローリア・トカンチスさん(55)は「エスカレーターは急いで駆け上がる人がいるので、ぶつかって転ぶのが恐い」とエスカレーターを避け、階段を利用している。
2009年サンパウロ市では、150人もの人が100歳の誕生日を迎えているように、高齢化の進行にも伴ってバリアフリーの充実は急がれる。
サンパウロ市南部のヴィラ・マリアーナ区は、75歳以上の高齢者が市内で最も多く、8千人が集住しているとされるが、同区にある地下鉄ヴィラ・マリアーナ駅もエレベーターやスロープ設置が遅れており、今年中に車イス利用者用の昇降機2台が設置される予定だ。
地下鉄では今年中に53駅全てに必要な設備を設置する予定で、79台のエレベーターと19機の昇降機の配備が終了または計画されている。
バリアフリー設備の導入は、今年落成したばかりの4号線パウリスタ駅など、新しい駅で進んでいる一方、8号線のインペラトリス・レオポルジーナ駅など、旧型の駅までは行き届いていないのが現状。ルス、ジューリオ・プレステス、ブラス駅など、歴史的建築物として管理・保存されている11駅に関しては、公的機関の許可がなければ設置作業も進められないという。