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セルジッピ=選挙裁判事襲撃される=公用車に37発、運転手重体

ニッケイ新聞 2010年8月20日付け

 セルジッピ州のアラカジュで18日朝、出勤中の選挙裁判所長が襲撃されるという事件発生と19日付伯字紙が報じた。
 襲撃されたのは公用車で信号待ちをしていたルイス・アントニオ・A・メンドンサ判事(60)で、すぐ後ろに止まった車から降りた黒装束、覆面姿の4人組がいきなり37発を浴びせた。
 襲撃に使われた車はアラゴアス州の軍警名義のもので、マセイオで盗難届けが出ていた。襲撃犯は直ちに現場を離れたが、盗難車は現場から程近い所で焼き捨て、別の車に乗り換えた様だ。
 メンドンサ判事は州保安局長や検事も勤めた事があり、民事法廷判事も勤めている。警察は、判事が保安局長を務めていた時、株や為替を扱い、政治絡みの犯罪にも関係したとして逮捕されたが脱走中の男性が主犯と見て捜査を続けている。
 19日付サイト情報によれば、ガラスの破片などで軽傷を負い病院での手当ても受けた判事は、「自分が犯罪に巻き込まれる事は恐れないが、(検事職にある)妻や3人の子供の安全が気がかりだ」と発言。19日は防弾設備もない車で運転手1人を伴って通常通り出勤したという。
 一方、事件当時公用車を運転していた41歳の軍警伍長は、頭部などに数発被弾。手術を受けたが重体だという。
 以前から脅迫も受けていた同判事襲撃が政治的な意図を伴う選挙がらみの犯罪か、単なる暴行事件かは見方が分かれているが、事件当時、夫の車の直前に車を止めていた同判事の妻始め、市民の不安を煽る事件であった事は間違いない。
 治安上問題がある自治体には投票日に軍派遣もあるブラジルだけに、アラカジュが今回の統一選の警備対象となるか否かは今後の捜査次第だろう。

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