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消火活動に軍派遣要請=異常乾燥下の防災対策強化
ニッケイ新聞 2010年8月25日付け
少雨のため異常乾燥が続く上、収穫後の畑や森林伐採後の土地で行う焼畑などで、全国的な大気状態悪化が見られる中、各地で防災対策の強化などが行われていると24日付伯字紙が報じた。
焼畑や山火事などが多発し、バナナウ島では島の面積の半分を消失と伝えられるトカンチンス州では、軍派遣要請の他、伐採跡地に火を放った人物は個人所有地であっても検挙するなどして、火災発生と拡大防止対策を強化中だ。
ジョージ・テイシェイラ空港への航空機発着停止なども起きたロンドニア州は、南マット・グロッソ州からの支援を受けてクジュビン地方での消火活動を行う他、連邦検察庁や州検察局が火災の原因調査を実施。アクレ州では、環境局許可済みの場合も含むあらゆる種類の焼畑を禁止した。
火災発生地に近いマット・グロッソ州アウタ・フロレスタでは公共医療機関での5~12歳児の診察件数が130%増など、煙害による健康被害は各地に広がり、異常乾燥の影響と共に深刻さを増している。
大気の異常乾燥も拡大し、全国的に世界保健機構が定める適正基準の湿度60%を大きく下回っている。鼻炎から肺炎までを含む呼吸器系疾患で小児科を訪れる患者が20~50%増加のサンパウロ市など、10%台を記録している所も多い。
大気中の湿度が30%を切った場合は、屋外での運動を見合わせる、水分補給や大気の湿潤に務める、鼻や目の洗浄を行うなどの対策も必要で、大気汚染のひどい地域では、喘息などの問題を抱える人中心に、よりきめ細かな対応が必要だ。
湿度20%以下は警告レベルで、自治体毎に、郵便配達などの時間を朝夕に集中させる、学校の体育の授業はチェスなどの活動に切り替えるなどの対応もとられる。