物価の安いブラジルはどこに=所得の割りに高い生活費
ニッケイ新聞 2010年8月26日付け
ブラジルは物価が安いという神話は一体どこに?
ブラジル税制企画院が発表した調査結果によると、アスピリン40錠分の平均価格を比較した場合、ブラジルの45レアルは隣国アルゼンチンの約4倍で、米国や中国と比べても約3倍に相当する。
世界で唯一税金の重さがブラジルを上回ったドイツと比べても1・5倍と割高の薬を使わねばならないのがブラジルの実情だが、それでは、アスピリン以外の商品価格はどうなるのか。
21日付フォーリャ紙の挙げたリストでは、トヨタのカローラ2・0の7万5千レアルやノートブック型パソコンの2500レアルは米国の2倍以上で、iPodの800レアル、冷蔵庫の1600レアル、ラコステのポロシャツ230レアルなども、米国、ドイツ、中国、アルゼンチンの平均価格を上回っている。
ブラジルの商品価格の高さは、重税と生産コストがかさむのが原因だが、税金が国内総生産(GDP)に占める割合は、ドイツの35・6%と大差ない35%。米国の28・3%やアルゼンチンの22・9%、中国の17%などと比較すると、いかに税の比重が大きいかがわかる。
一方、国民一人当たりの年間所得をドルで比較してみた場合、米国は4万5千ドル、ドイツは4万ドルに対し、ブラジルはアルゼンチンと同じ1万ドル。ドル安、レアル高といわれながら、米国などとこれだけの収入差がありながら、商品価格は高いのだから、生活費が安いといわれたのは過去の話といえそうだ。
ブラジルからの旅行者が国外で支出する額が過去最高となり、経常収支赤字増大を招いた背景には、国内の商品価格が国外に比べ割高だという事を知る消費者が、国外で安い品を購入したり個人輸入したりする傾向が強まった事もあるようだ。