ニッケイ新聞 2010年8月27日付け
先日、友人の結婚披露宴の司会を任せられた。もちろんポ語の司会は隣にいるわけだが、なかなか興味深い体験だった。
新郎は二世で新婦は一世。新婦側の親族、友人はほぼ日本人なのだが、新郎側は、非日系人や日本語を解さない日系人もいるのは当然。
列席者のなかで、コラム子が話すときはキョトンとしているが、ポ語通訳に変わると表情が生き生きする人を探すのを密かに楽しんだ。
新郎の日本語はかなり堪能なのだが、照れなのか、ポ語で通した。新婦の父のあいさつは日本語のみ。披露宴のクライマックスといえる新婦の読む両親への手紙もしかりだった。
通訳するのは無粋だろう。まあ準備もしなかったわけだが、キョトン顔で目頭を押さえる人も。
二人を祝福したいという気持ちは同様、言葉を超えた和やかな雰囲気が会場を包んでいたのもまた印象的だった。(剛)