ニッケイ新聞 2010年8月28日付け
サンパウロ市では湿度が30%を下回る日が8日間にわたり、過去10年でも最も乾燥度が強い年となっている。異常乾燥蔓延により各地で火事が頻発しているほか、大気の汚染も一段と悪化。来月7日まで雨が降る見込みはないなど、今後も続くとされる乾燥状態に懸念が広がり、体調管理の必要が呼びかけられている。26、27日付伯字紙が報じた。
冬の寒さが遠のいたサンパウロ市だが、一方で、8月に入ってから急激に湿度の低下が深刻化。極度の乾燥状態では人体にも害が出ることが心配され、30%以下で注意勧告、20%以下で警告、12%以下で危険信号。国立気象観測所によれば26日まで8日間連日で注意勧告又は警告が出されており、サンパウロ市北部では25日に今年最低の13%、26日には14%が観測されている。
警告が出たのは、2000~09年には計7回。09年に記録された10%が過去10年での最低湿度となるが、今年のように長期間にわたって乾燥状態が続くのはまれだという。今月に入ってから計測された降水量はたったの0・6ミリ。降水量を比較すれば、1945年から2番目に低い数値となっている。
サンパウロ州のプレジデンテ・プルデンテ市では26日の湿度が8%まで下がり、24時間受付の医療センターを訪れる患者数は通常の2倍近い。こういった状況では体調管理への注意も必要で、1日2リットルの水分摂取、日中は直射日光を避けること、体内水分量を失わないよう長時間のシャワーを避けることなどの具体的指導が行われている。市場では加湿器の価格が上昇し、小売店では品切れ状態となっているようだ。
また、湿度低下に伴い懸念されるのは大気汚染の悪化。環境浄化技術公社が先週末から今週にかけてモオカ、イビラプエラ、サンパウロ総合大学周辺で勧告を出したように、乾燥状態で浮遊する大気汚染物質が咳や疲労を誘発するほか、目、鼻、喉に痛みをもたらす可能性がある。排気ガス減少に向けて、自動車の利用を減らすよう呼びかけも行われている。
リオ市では19日に今年最低気温の9・2度、25、26両日に今年最高気温の36度を計測。6日間のうちに気温が極度に変化するなど、こちらでも異常気象がみられるようだ。