ニッケイ新聞 2010年8月31日付け
【らぷらた報知=亜国ブエノス・アイレス発】高知県人会創立40周年記念式典・祝賀会が去る7月31日正午頃より、コロニア・ウルキーサ地区で会場で開催された。母県より溝渕建夫県議会議長をはじめ、議員、高知県農業共同組合中央会関係者、県文化・生活部・国際課関係者、ほか一般県民など19人の訪問団、ブラジルの安光高知県人会前会長、パラグアイの山脇高知県人会会長、さらに来賓として植松聡領事夫妻、会員、縁故者など多数が広いホールを埋めて盛大に行われた。
まず、先没者への黙祷、亜日両国歌斉唱があり、つづいて中角広喜式典委員長は、「会員数は少なくとも固い結束と強い連帯感により、年毎にその実を結んできた。時代の流れとともに一世から二世三世へと世代交代を迎え大きく変ろうとも、私たち一世が築いた県人会の歴史と伝統の無形の遺産は彼らの中に脈々と生き続け、彼らなりの形で立派に継承されていくことを確信する次第」と挨拶した。
つづいて、尾崎正直高知県知事のメッセージが、「皆様が気候風土や言葉、習慣など文化の違いを克服し、今日の揺るぎない社会的、経済的な基盤を築かれ、日系人としてアルゼンチンの発展に大きく貢献されていることを、大変心強く誇らしく思います」などと代読された。
さらに、溝渕県議会議長は「土佐人は故郷への思い入れが人一倍強いといわれます。世代交代が進んでいく中で、三世四世の時代になりましても、母国日本、ふるさととのつながりを今後も大切に育てながら、友好親善を図って参りたい」、と結んだ。
また、依光隆夫氏代読による山崎實樹助・高知県中南米親善協会会長メッセージが「発足当時48世帯が現在は65世帯300人にまで拡大されたことは誠に意義深く、移住地発展に功績を残されており、同郷の私達にとっても誇らしく、尊敬の念に耐えません」などと披露された。
植松領事より「今日本では、NHKの『竜馬伝』が大人気を博し、高知県が一大ブームを起こしていると聞いております。私は当地に赴任して9ヵ月近くなりますが、当地の移住者・日系社会は前任地と比較して規模も成熟度も大きな違い、一昨年に修好110年を迎え、極めて友好的な二国間関係が存在する。これも移住者、日系人が築き上げられた実績、信頼関係に基づくものです」と祝辞があった。
最後に、最高齢者の山本隆行さん(92歳)の音頭で乾杯、バイキング料理やアサードの会食に移った。
また、「一世たちのふるさと恋しさ、心を癒す県人会の役割は終わった。二世から下は別の形が必要。ビジネスを含み、母県と南米との情報交換、国際的な視野は二世たちの責任」というのは、ブラジルで2月に県人会長に就いた片山アルナウドさんだった。