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コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2010年9月1日付け

 日本のマスコミが盛りげる超高齢者の話題でついに戸籍上200歳の人が見つかったそうだ。こうなると競争のようなもので、騒ぎの中で、本来考えるべき年金詐取と問題の本質がすり替わっているようにも感じる。
 超高齢者の中には海外への移住者が多く含まれているようだ。移民はハワイ、北米やペルーなどにも渡ったはずだが、報道で挙がるのはブラジルが中心。
 死亡届など出すゆとりのないコロノや奥地での生活、または出生届を出す前に死んだ幼児もいたかもしれない。年齢の高さだけを取り上げないで、そうした初期移民の苦闘にいくらかでも触れてほしいと思う。
 報道にやや食傷気味になりながら、以前アララクアラそばにある初期移民の位牌堂を訪ねたことを思い出した。約90年も前のこと。この堂にならぶ位牌の人達は、どこに埋葬されたかも分かっていない。(ま)