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13環境保護区で火災続く=エマス国立公園は90%焼失=手放しで喜べない伐採減少

ニッケイ新聞 2010年9月2日付け

 全国的な少雨、乾燥状態が続く中、国立公園などの環境保護区13カ所で火災が拡大、鎮火した所でも総面積の90%焼失のゴイアス州エマス国立公園など、多大な被害が出ていると1日付エスタード紙が報じた。
 少雨などで増幅された火災は環境保護区も容赦なく襲い、火災未発生は65環境保護区中44カ所のみ。6カ所は鎮火というが、他2カ所はやっと下火になった状態、13カ所は火災拡大中だ。
 環境保護区での最大被害は、13日に出火した前記エマス国立公園。セラードに属する植生回復には数年かかる見込みだ。環境省によれば、環境保護区内での火災の13%は国立または州立公園内、他の13%は先住民保護区内で発生。セラードでの被害はアマゾンより大きいという。
 8月19日迄に3万3177件、8月も4357カ所で火災発生の今年は、07年(5万9915件)に次ぐ火災年で、トッカンチンス州イーリャ・ド・バナナウで消火活動に従事した軍用機2機は8月31日、ミナス州セーラ・ダ・カナストラ国立公園に再派遣された。同園火災は州南部のセーラ・ダ・バビロニアからの延焼で、8月27日迄に3万ヘクタール消失。鎮火困難で軍用機派遣となったものだが、トッカンチンス州内でもアラグアイア国立公園や5保護区を擁するジャラポン環境保護地帯での火災が未鎮火だ。
 環境保護区内は火の使用は全面禁止で火災原因は調査中だが、国立宇宙調査研究院(Inpe)では、火災の67%は個人所有地などで発生しており、大半は人為的なものだという。人為火災の原因は、森林伐採後の切り株や下草除去、伐採地を農牧用地として整地するため、農牧地の地力回復などのため(合法)、製材業者らのおが屑焼却(非合法)、タバコの投げ捨て、悪戯も含む放火など様々だ。
 Inpeによれば、09年8月~10年7月の法定アマゾンでの森林伐採は、例年は不法伐採が増える選挙年にも拘らず05年以来の伐採減少傾向維持で、前年同期比47・5%減の2296平方キロ。Inpeの観測衛星は25平方キロ以上の森林喪失しか捉えられず、摘発逃れで繰返される小規模な不法伐採込みの数字は年末の集計を待つしかないが、森林伐採減少にも拘らず火災増加の理由は未判明だ。