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ブラジルを肌で感じたい=淑徳大学から8人来伯=4半世紀迎えた研修事業

ニッケイ新聞 2010年9月2日付け

 淑徳大学(長谷川匡俊学長)の学生を対象に毎年行っているブラジル研修が今年も実施され、渋谷哲同准教授引率のもと8人の研修生が8月9日に来伯した。
 創立者の初代学長、長谷川良信氏は54年に南米浄土宗別院日伯寺を開いた。その足跡を巡ることが研修の主な目的で、今年で25回を数える。
 36日間の日程で、サンパウロ市、クリチーバ、マリンガなどの教育施設、老人ホーム、厚生施設などを視察し、各研修生らの視点でブラジルの教育や福祉制度を生で捉える。研修後半では、リオ、バイーア、パラナ、アマゾナス各州などの観光も行なう。
 研修で得た様々な体験は、今年10月半ばに開催される学園祭で発表される予定だ。
 着聖後、一行は11日に日伯寺住職を務める佐々木陽明総督の案内で本紙を訪れ、研修に向けた抱負を述べた。
 経営コミュニケーションを専攻する向織永さんと堀千秋さんは、「クリチーバの環境サービスで日伯の比較をしたい」と抱負。日本で消防団に所属しているという小宮成登さん(社会福祉学科専攻)は、「日本は地域の繋がりが強化されているが、ブラジルではどうなのか調べたい」と語った。
 「国土が大きく、多民族国家のブラジルで人々がどう共生しているか知りたい」と話すのは、同じく社会福祉学を学ぶ鳥巣礼菜さんと古谷澪さん。実践心理学を勉強している正田由加さんと奥祐斉さんは、「小学校の子供たちをぜひ見たい。きっと明るいに違いないし、日本の子供にないものを学んで帰りたい」と意欲を表す。
 「研修中に訪れる各地のそれぞれの特色、文化、国民性を捉えて、国内にどのような影響があるのか知りたい。日本でも生かせないか考えたい」と人間環境学を専攻する千葉瑛里奈さんは話した。
 佐々木総監は最後に「ブラジルは移民国家、人種の坩堝。これほど人種が溶け込みあい共生している国は、世界で類をみない。研修生らがブラジルで見るものを肌で感じとって人間形成に役立ててほしい」と目を細めていた。