ニッケイ新聞 2010年9月7日付け
約45年にわたって多くの子供たちが学んだ日本語学校「ヴァルガス学園」の同窓生が中心となって、8月29日、同学園の旧校舎でラーメン祭りが催された。卒業生や関係者など150人以上がかつての学び舎に集まり、旧交を深めた。
サンパウロ市南部のシダーデ・ヴァルガス区にあった同学園は1961年、塚本信子さんにより開校。日本語だけでなく、音楽、図画など情操教育も行い、多くの子弟が学んだ。
学芸会や、同じ日本語学校の椎の実学園やふたば学園などと合同で運動会も行い賑わった。塚本さんの息子で同イベントを企画した秀実さん(56)が学んでいた70年代には120人ほどの生徒がいたという。
塚本さんは80歳まで同学園で教え、高齢のため2006年に閉校。その後、今年2月に旧校舎で初めての同窓会が開かれ、80人以上が集まった。当日は塚本さんも出席、66年当時の運動会を撮影した8ミリ映像も流されるなど、参加者たちは思い出話に花を咲かせたそうだ。
同窓会の際に連絡がつかなかった人もいたことから、今回のラーメン祭りが企画された。来場者の中にはデカセギから帰ってきた人や、40年ぶりに同校舎を訪れた人もいたという。
当日は、醤油味のほか、味噌やチャーシュー、五目海鮮などの味を用意。秀実さんと夫人の律枝さんは、「『本当に美味しかった』と言ってもらえた」と振り返る。
いまは無くなった学園に、かつての生徒たちが集う。来年のはじめにも2回目の同窓会を開く予定という秀実さん夫妻は、「これからも時々こうした集まりが開けたら」と笑顔を見せていた。