ニッケイ新聞 2010年9月10日付け
栄えあるサンパウロ州法律学アカデミー(Academia Paulista de Letras Juridicas)の終身会員に、日系では初めて原田清氏(69、二世)が就任した。創立は1909年でサンパウロ州を代表する法律家の殿堂として、会員は40人に限定され、亡くなった時に補充されるのみ。原田氏は数々の法務関連職を歴任し、法学関係の著書も多数出版している。
同アカデミーへの新入会員就任式は8月11日、サンパウロ市内のCIEE劇場で厳かに行われ、ジルベルト・カサビ市長、リカルド・ゴメス・レメ長官(サンパウロ州知事代理)など司法当局関係者が多数出席した。
原田氏が継いだ座席20番は、USP法学部長まで務めたルイ・バルボーザ・ノゲイラ教授を初代とする名誉ある番号だ。
当日就任した他の終身会員としては、シドニー・サンシェス元最高裁判事、モレイラ・アルヴェス元最高裁判事、クラウジオ・レンボー元サンパウロ州知事らそうそうたる顔ぶれだった。
原田氏は熊本出身の両親のもと、1941年5月にマリリア市に生まれた。USP法学部卒、サンパウロ市役所法務局長、国内大学の租税法・財政法の教授を長年務め、サンパウロ州弁護士養成学校の理事兼教授を任じるかたわら、専門誌に300以上の論文を発表し、22冊の専門書を出版した。
日系社会関係ではパウリスタ新聞の弁護士を務めていたほか、文協法務委員や評議員を務め、08年には『ブラジルの日系人』を編纂・執筆し、全16章中の4章を自ら執筆した。今年6月には日本語版も出版され、盛大に祝われた。