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09/10年の収穫は10%増=パンの値上がりは不可避

ニッケイ新聞 2010年9月11日付け

 10日付フォーリャ紙によると、09/10農年の穀物収穫量は前年同期比10%増の1億4900万トンを記録した。
 作付面積は減ったが、技術改善などで生産性が11%向上した結果で、穀物生産の84%を占める大豆ととうもろこしの増産が好結果を生んだ。大豆は6870万トン、とうもろこしは5610万トンの生産とみられ、生産者価格は増産でも落ち込んでないという。
 ただ、ブラジル農家の泣き所は、将来に向けての投資資金が不十分な事。インフラ整備に重点を置く政府からの増資を望むのは難しく、ブラジル籍でも資本の中心は外国という企業には農地取得制限が加わったため、世界的な農産物増産要求に応えるのは困難だという。世界的な需要の伸びに応えるにはブラジルの生産量を10年で倍増させる必要があるといわれるが、土地や気候といった条件には恵まれていても、技術や土地の開発にかける資金が足りないというのだ。
 また、ロシアの大幅減産などで世界的な品不足が起き、国際価格も高騰している小麦は、ブラジルでも輸入が必要な品。ブラジルの主な輸入先はアルゼンチンだが、8月中だけで10~15%という国際価格高騰の波は、小麦製品値上がりという形で庶民の生活を直撃する。
 サンパウロ市の場合、ポンジーニョが8月中に4・7~20%(平均で12%)値上がりしており、近日中にビスケットや麺類も値上がりとなる見込みだ。
 この冬は大豆の作付けが優先されとうもろこしの作付面積が減った事は先日来報道されているが、値上げすれば消費が減ると知りつつも値上げせざるを得ないパスタ類工業会や生産性向上のためにマット・グロッソの工場閉鎖のJBSフリボイなど、食料関連企業のジレンマは大きい。