ニッケイ新聞 2010年9月14日付け
ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)が10日、08年から09年にかけての国際的な金融危機にも拘らず、ブラジル国民の所得は向上し、国民の半数以上が中流階級の仲間入りしたと発表した。
10、11日付ブラジルメディアによると、全国家庭サンプル調査(Pnad)から算出したCクラス(家庭収入1126~4854レアル)は人口比50・5%の9490万人で、49・2%だった08年より310万人増えた。6大都市圏では既に半数を超えていたが、全国平均で半数を超えたのは初めてだ。
金融危機下では工業界とのつながりが強いABクラスの伸びは小さく、Cクラスの伸びが最も大きかったというが、03~09年で見ると最も伸びたのは、Aクラス(同6229レアル以上)の40・9%。収入4854~6229レアルのBクラスは38・5%、Cクラスは34・3%の増加で、705~1126レアルのDクラスは11・6%、Eクラスは45・5%減少した。
03年は人口の37%だったCクラスが8年で2900万人増えて貧困層が減少した事は現政権が誇る実績の一つ。購買力もABクラスの44%を上回る46%となったCクラスは、今や政治、経済両面の主役だ。
11日付エスタード紙の新車購入は低所得者層が牽引との記事は、かつてはABクラスが独占していた車も庶民に普及してきた証拠で、鶏肉からバイクといわれた中流階級のステイタスシンボルが更に変化したようだ。
携帯電話普及で、固定電話はなくても家族全員が携帯電話所持という家庭も増えており、庶民の夢も様変わりしている。