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官房長官罷免は当面なし=連警や倫理委が調査開始

ニッケイ新聞 2010年9月15日付け

 【既報関連】エレニセ・ゲーラ官房長官の家族絡みの汚職事件告発を受けたルーラ大統領は13日、エレニセ長官の罷免は避け、事件の早期解明を指示したと14日付伯字紙が報じた。
 Veja誌に続き12日付伯字紙などが報じた事件では、エレニセ長官がジウマ氏の官房長官就任と共に鉱山動力省を辞した05年に鉱動省入りした長官の姉妹マリア・E・A・カルヴァーリョ氏が09年、同省エネルギー調査会社(EPE)が兄弟のアントニオ・アウヴェス・カルヴァーリョ氏の法律事務所と無入札で業務契約を結ぶ事を許可。同法律事務所は長官の息子であるイスラエル氏のロビー活動にも使われた。
 ロビー活動は、イスラエル氏が実権を握るコンサルタント会社のカピタウ・アセソリア社の名で行われ、航空輸送を扱うMTA・リーニャス・アエレアス社が民間航空監督庁からの営業認可延長を助けた見返りに金を受取った。MTA社はその後、郵便局と8億4千万レアルに及ぶ輸送業務契約を結んだが、契約額の6%がイスラエル氏に支払われる事にもなっていた。同社は、郵便局の業務提携基準では認めない民間業者の貨物も並行輸送する唯一の企業だ。
 なお、カピタウ社はイスラエル氏の兄弟と長官の部下で法律顧問だったヴィニシウス・カストロ氏の母親も共同経営者として名を連ねる会社で、イスラエル氏同様にロビー活動で金を受取ったとされるヴィニシウス氏は13日に辞表提出。
 下の人間の首を切って一件落着は政府の常套手段で、同氏も辞表受理後に解雇となったが、縁故採用などは明らかだけに、連邦警察や倫理審議会により新しい事実判明となれば、ジウマ氏の大統領選への影響を最小限に抑えるための官房長官罷免回避も難しくなるとの見方もあるようだ。