ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 伯債券に外国資本=日本などアジアから流入=ブラジル銀行が強く働きかけ

伯債券に外国資本=日本などアジアから流入=ブラジル銀行が強く働きかけ

ニッケイ新聞 2010年9月21日付け

 2006年7月には2%を切っていた国外からブラジル公的債券への投資が、今年7月に9・54%(1500億レアル)と最高値を記録した。こういった最近の投資流入の背景にはアジア諸国、特に日本の関心の高まりが指摘されている。19日付エスタード紙が報じた。
 2008年の世界経済危機以降、ブラジルの経済の安定性、利息の高さ、16年のリオ・オリンピック、14年のサッカーW杯開催地となることによる成長の可能性などが、アジア諸国の関心を高めてきた。近年日本の経済広告でも「ブラジル債券ファンド」の文字が目立ってきたように、アジアに拠点を置くブラジル銀行がこういった需要への対応に力を注いでいる。
 いち早くアジア市場へ参入したイタウー銀行では、07年の香港に続き、08年に日本支店をオープン。グローバル投資部門の西川ロベルト担当は「最初こそ、投資家たちは近隣に急速に成長する他のアジア諸国があるのに、なぜ遠いブラジルへ投資する必要があるのかと疑問を抱いていた」と振り返るが、現在は新光、大和投資信託や韓国のKDBなどと提携を結び、アジア市場で150億米ドル相当のサービスを手がける。
 ブラデスコは、08年末から今年の2月にかけてアジア市場で3種類のファンドを展開する。計20億米ドルの投資が集まっており、元財務長官でブラデスコ・マネージメントの理事を務めるジョアキン・レヴェイ氏は「特に、個人投資への強い関心が我々を驚かせている」と話している。
 デカセギ向け送金システムにより日本各地で営業を展開してきたブラジル銀行も、今度は日本の投資家へ向けた新たなサービスを実施。日本語のサイト上で年利の高さをアピールするなど、1年間のうちに日本人によって開かれた口座は4千件に上るという。
 ブラジル・シティバンクのグローバル・サービス課は、09年に同行が管理する外国資本に占めたアジア資本は7%だったが、今年は2倍の14%(256億米ドル)に至ったと報告するほか、長期投資の傾向が強いと示した。また、ブラジルHSBCでは今月、香港、台湾、シンガポール、日本でブラジル投資セミナーを開催。台湾・台北でのセミナーには750人、東京では800人が集まったようだ。