ニッケイ新聞 2010年9月21日付け
大サンパウロ市圏に導入された南部環状線開通に伴い、サンパウロ州海岸部に通じるアンシエッタ~イミグランテス道の車両交通量が4~8月に120万台増え、街道や海岸部の渋滞緩和対策実施が急がれると19、20日付エスタード紙が報じた。
南部環状線開通でサンパウロ市の乗り入れ規制や市内渋滞を計算に入れなくて済む様になった恩恵はバルエリーやオザスコなどの大サンパウロ市圏やサンパウロ市内の一部地域の人々に大きく、従来は長期休暇のみの利用だったアパートや別荘を週末も利用する人が増えた他、トラックの走行時間帯も変化した。
海岸へ下る人々には恩恵が大きい環状線開通だが、その一方、クバトンやピアサゲーラ~グアルジャ間、サントス市入り口などを中心としたアンシエッタ道で渋滞悪化。地域住民が通勤や通学に車を利用するラッシュ時の渋滞は、サンパウロ市内の渋滞を避けた人々や地域住民にとって新たな頭痛の種となっている。
この状況を反映しているのが、1~7月の走行量が320万152台から364万1152台に14%も増えたトラックでの事故発生数だ。
同期間中のアンシエッタ~イミグランテス道でのトラック事故は、1472件から1641件に11・48%増。特にイミグランテス道からの乗り換えが義務付けられたアンシエッタ道は711件から880件に23・77%も増えている。
バイシャーダ・サンチスタは250件で250%、セーラ(坂道)は432件で15・2%増だが、サンパウロ市~サンベルナルド・ド・カンポ間は189件で27・8%減。サントスやグアルジャ市内の渋滞地区や貨物用の鉄道引込み線などと交錯する部分の事故増加は、環状線開通に伴う交通量増加に海岸部のインフラ整備が追いついていない証拠で、統一選後は自治体毎の対策も具体的な検討が始まる見込みだ。