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Cクラスの航空機利用急増=初めての旅行者では66%=仕事での旅は14%に止まる=望まれる空港や販売網整備

ニッケイ新聞 2010年9月22日付け

 ダッタポルラールが上半期に行った調査によると、今後1年以内に航空機を初めて利用する予定でいる人の56・7%はCクラスで、14年のサッカーW杯開催までにといわれていた空港の拡張、整備は加速する必要もでてきたと9日付フォーリャ紙が報じた。

 家庭収入が1126~4854レアルのCクラスが人口の半数を超えた事はジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)が10日に発表しているが、今回の調査結果も、中流階級が購買力をつけてきた証拠の一つだ。
 従来は高所得者用とされていた航空機も庶民のものとなってきた事は、10/11年に初めての空の旅を計画している1070万人中、ABクラスは18・6%の200万人、Cクラスは65・7%の700万人、Dクラスも15・7%の170万人という数字からも窺われる。
 02年に初めて航空機を利用した人は、ABクラス52%、Cクラス42%、Dクラス6%。09年は、ABクラス37%、Cクラス54%、Cクラス9%だった。
 今後1年以内に初めての空の旅を予定している人が1070万人もいる事は、W杯での航空機利用者を国内300万人、外国人60万人と予想している観光省にとっても驚くべき数字だ。航空機を利用した事があり、もう1度空の旅をと願う人は85%という数字と考え合わせると、既に飽和状態とされる空港が需要に応えられなくなる可能性が更に高まる。
 それだけに、W杯や16年のリオ五輪に間に合うようにとの視点で進められていた空港施設の拡張、整備は、従来以上のペースで進める必要が出てきたといえるが、現実には、設計や環境許可取得その他で時間がかかるのがこの種の工事だ。
 そこで、民間航空監督庁(Anac)が考えているのは、W杯開催地となる12都市にアクセスするための空港の営業時間を延長し、未明の便を増やす案。無論、拡張工事が間に合わなかった場合の苦肉の策だが、その他にも、軍用機発着用の空港を一時的に使用するという案もある様だ。
 また、国民の購買力向上といっても、現金一括払いでの空の旅はきついという庶民の願望を支えているのは、航空会社が取り入れた販売網や分割払いの回数拡大策だ。
 サンパウロ州内のカーザス・バイアでのチケット販売も行うTAMの場合、ローン組立ては20レアルから可。GolのVoeFacilやAzul専用のクレジットも、分割販売を容易にする手段だ。
 北東伯出身者が550万人もいるサンパウロ州では、故郷の親族訪問など、パック旅行を必要としない顧客も見込めるなど、市場開拓の余地は大きい航空業界。14%に過ぎないビジネス客より、80%を占めるレジャーや親族訪問者対象の売込みが今後は益々増えそうだ。