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成長続けるYOKI=家族経営で独自の発展=多国籍企業とも競合し

ニッケイ新聞 2010年9月24日付け

 日系の食品メーカーYOKI(与喜)は、近年も国内市場で成長を続けており、外国の大手メーカーともしのぎを削る。投資の声もかかる中、長年家族経営で営まれてきた同社は、今後も独自の発展を維持する方針を示している。20日付エスタード紙が取り上げた。
 YOKIは調味料や香辛料、菓子、即席スープの素、ブイヨンなどの600商品を5州8カ所の工場で生産。即席ポップコーンといえば、YOKIの商標が思い浮かべられるはずで、国内市場の70%を占めている。
 伯全土に3万店舗の販売網を持ち、商品出荷先の95%は国内、今年度売上は11億レアルが見込まれる。従業員は4100人を抱えるが、管理職のほとんどは北野氏の親族が担っており、代表的なファミリービジネスの形態を取る。
 現在こそYOKIとして定着しているが、同社の創始は北野ヨシゾウ氏が1960年に創設したキタノ食品。89年に主要の販売ラインだった香辛料部門の業務をブラジルとうもろこし製造所に売却、北野ファミリーが経営を維持した製粉食品部門はYOKIと命名し再出発した。その名前は、YOSHIZOU KITANOの頭文字から考え出されたそうだ。
 その後、1997年にその香辛料業務は再び北野ファミリーの手へ。香辛料市場は、簡単に利益の上がる分野ではなかった。売却額以下で買い戻された。北野氏の娘婿で副社長のガブリエル・シェルビニ氏は、「細心の手間をかけても上がる利益はわずか」とその経営の難しさを語る。
 ネスレやペプシコ、Unileverといった多国籍企業への脅威となるほど成長しているYOKIは、89年の業務売却から20年が経つ今も常に投資家の目が向けられる。投資会社からは毎週のように申し出があるというが、シェルビニ副社長によれば、同社は投資の受け入れに関心はなく、競合する他社の買収も考えていないという。
 Cクラス層をターゲットに新たな商品開発を行うYOKIは、ここ数年、大豆飲料やインスタント食品販売で大きく伸びる。とうもろこしを原料にした菓子では、ペプシコ商品に競合しYokitoが6%を占めるようになった。シェルビニ副社長は「今年は北東部で20%、伯全土で15%の販売拡大を期待したい」と話している。