ニッケイ新聞 2010年9月25日付け
競技人口の高齢化という事情を抱えるブラジル将棋連盟が、新たな試みを始めている。その名も「チビッコ将棋大会」。11日、日伯保育学園(OEN)で初めての大会が開かれ、4学校から18人の子供たちが参加した。指導にあたっているのは、将棋連盟五段のジャメス・マン・デ・トレドさん(49歳)だ。
大会に参加したのは、OEN、パストゥール学園、ミラソル学園、エドゥアルド・ゴメス学園。OENが主催、将棋連盟が後援。1~3年生(A)、4~6年生(B)、7~9年生(C)の3つのカテゴリに分かれて競技が行なわれた。
きっかけは、ジャメスさんと日系二世のジュリアーナ夫人が同4学校でチェスの指導を行なっていたこと。チェス指導のかたわら、将棋も教えていることから、この度の大会開催につながった。
ジャメスさん自身、息子のニコラス君が祖父から将棋を教わっていたことに影響され、約3年前から連盟の大会に参加するように。着実に昇段を重ね、8月の第63回名人戦では四段戦で優勝している。
将棋は駒を裏返す「成り」があってチェスと若干ルールが異なるが、「子供たちは好きですよ」とジャメスさん。今後も大会を開いていく考えで、次回は11月ごろに開ければと期待を語った。
ジャメスさんと共に報告に訪れた柳生弘・将棋連盟広報理事は、「子供に教えないと競技人口は減るばかり。他の学校にも広めていければ」と話す。さらにジャメスさんの将棋普及への努力に感謝を表し、今後も応援していく考えを示した。
各カテゴリアの上位入賞者は次の通り。(順に1位から、敬称略)【A】=リビア・アイコ・カマダ・デ・トレド(エドゥアルド・ゴメス校)、ジュリア・アイコ・マスダ(OEN)、マルセラ・デ・リマ(エ・ゴメス校)。【B】=ダニーロ・デ・リマ(エ・ゴメス校)、クリスチャン・スズキ(ミラソル学園)、フェリペ・マエガワ・ゴメス(OEN)。【C】=ニコラス・ジュン・カマダ・デ・トレド(エ・ゴメス校)、マルコス・ピーレス・カサビ(パストゥール学園)。