ニッケイ新聞 2010年9月25日付け
【既報関連】前理事長が突如辞任、内部あつれきが表面化しているサンタクルス病院の理事会は、医師協会と合同で23日午後、記者会見を開いた。
中矢新理事長、伝田英二副理事長、サルヴァトーレ・スポザット理事、医師協会からはイシャラ・ユワ会長、カルロス・イトウ、レオネル・フェルナンデス両医師らが出席した。
理事会の運営手法を非難、医師らの連名による18項目にわたる質問状が突きつけられたことを受け、菜切氏が理事長を今月3日に辞任。
この事態を受け、第1副会長の中村勉氏が滞日中のため、中矢レナット第2副理事長が会長に就任した。
中矢氏は「医師会とも話し合い、一緒に仕事をしていくことを確認した。何も問題はない」と何度も強調。
菜切氏と医師会の問題には「本人が出席していないので言うことはないが、トップにはそれぞれの考え方、やり方がある。ただコミュニケーション不足だったと思う」と述べた。
病院が抱える2700万レアルの銀行負債について「2年間でゼロにしていく」と話したうえで、設備、サービス改善のための投資も積極的に行う考えを示した。
負債の一部を占める保険プラン「PLASAC」に対する未回収金の原因とされるコンピュータシステム化に400万レアルを投資したことを報告しながら、「システム導入は、病院にとってとてもいい選択だった。様々な問題があるが解決していく」と話した。
イシャラ会長は「個人の問題ではなく、組織の体質の問題だ。疑問点はこれからも質していきたい。新執行部による運営の健全化を期待したい」と複雑な表情で話し、会見を中座した。
質問状に関して中矢氏は「菜切氏が回答をすでに理事会に提出している。誤解を解くためにもオープンにしていく」と透明性を掲げた。