ニッケイ新聞 2010年9月29日付け
統一選挙も最後の直線コース入りした27日、ダッタフォーリャが行った大統領選の支持率調査で労働者党(PT)のジウマ・ロウセフ氏の支持率が更に低下し、決選投票に縺(もつ)れ込む可能性が高まったと28日付フォーリャ紙が報じた。
今回調査でのジルマ氏支持率は46%で、13~15日の51%以降、21~22日の49%に続く低下だ。民主社会党(PSDB)のジョゼ・セーラ氏は、13~15日の27%から28%に上がった21~22日の数字維持に止まったのに対し、緑の党(PV)マリーナ・シウヴァ氏は、11%、13%、14%と上昇機運だ。
全国202都市で3180人と従来に比べて小規模調査だが、統計誤差は最大2%。3人以外の候補者支持率は1%未満で、白紙と無効4%、未定7%となっている。
有効票に限ってみた場合、ジウマ氏の支持率は51%で、他候補支持率総計の49%と比べ、わずか2%ポイント差で、決選投票実現の可能性がぐんと高まった。
27日に決選投票を行った場合の支持率はジウマ52%対セーラ39%。2週間前の22%ポイント差が13%ポイント差に縮まった。
今回の調査の特徴はジウマ氏支持率が全国的に低下した事。低下はエレニセ・ゲーラ元官長官のスキャンダル発覚直後の13~15日を境に始まり、有効票での他候補との支持率の差も、57%対43%が54%対46%、51%対49%にと急速に縮んでいる。
支持率低下が特に響いたのが1億3500万人の有権者の3分の1(4500万人)が属する2~5最低賃金層で、支持率は42%に低下。8~9日の調査から360万票を失った計算だ。
最賃10以上では、エレニセ氏のスキャンダル以降逆転していた支持率がセーラ41%対ジウマ30%と更に拡大。5~10最賃層も、ジウマ36%対セーラ30%対マリーナ26%と支持率が拮抗してきている。
また、有権者の13%を占める大卒以上の高学歴者の支持率も35%から28%に低下。セーラ氏の34%、マリーナ氏の30%の後塵を拝することとなった。
2最賃以下の層の支持はジウマ52%対セーラ25%対マリーナ9%。北東伯でもセーラ氏と40%ポイント差の59%の支持率を保っているジウマ氏だが、他候補の支持率総計との差縮小は、ルーラ大統領支持率がスキャンダルで低下して決選投票となった06年の選挙より早い。
今後は、サンパウロ州でのキャンペーンも終えたジウマ氏が支持率低下に歯止めをかけ得るか、支持率に大きな変化の無いセーラ氏に決定的な策はあるか、決選投票ではマリーナ支持者は誰に票を投じるかなどが見所となる。