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Webjet=日に53便をキャンセル=他社に副操縦士引き抜かれ=人手不足で混乱続く航空業界

ニッケイ新聞 2010年9月29日付け

 8月にはGOLの乗務員不足による運行キャンセル、遅延が相次ぎ混乱が起こったが、今度はこういった競合他社に副操縦士30人を引き抜かれた業界第4位のWebjet(国内便シェアは5・82%)が、27日運行予定便の40%をキャンセルするという事態を招いた。これを受けて、国家航空庁(ANAC)は同社に対して28日から10月1日に運行予定分の航空券の販売差し止めを行った。28日付伯字紙が報じた。
 27日は、運行予定の140便のうち、53便がキャンセル、39便に遅れが見られた。28日も午前9時までに29便中9便がキャンセルされ、3便で30分以上の遅れが出た。乗務員が不足するWebjetでは、乗務員の機内勤務は月間85時間までという航空規制から、先週より運行のキャンセルが相次いでいた。7月には乗務員の超過勤務で、ANACから22万5千レアルの罰金が科されていた。
 今回の事態を招いた特に大きな要因は、ここ2カ月の間に競合するGOLやTAMに副操縦士30人を引き抜かれて人員不足となったことが挙げられる。Webjetは、64人の副操縦士を新たに雇って研修を進めていたものの、その実施にも遅れが出ていた。
 Webjet側は、今月から電話でスケジュール変更の可能性を通告しており、利用客の9割には伝わっていたとしているが、ガルーリョスのクンビカ空港やリオのサントス・ドゥモン空港では足止めを食らった利用客に不満が溢れ、バスや他の航空便を利用する人も見られた。また、27日には1便が想定外の調整で休航となったことも事態を悪化させたようだ。
 リオからクリチーバに向かっていたイネス・ジェルベルさんは、「飛行機に乗れず仕事を逃がしたのは許せないが、疲れたパイロットが操縦する飛行機に乗るのも心配」と不安を洩らす。
 今回の事態を受けて、ANACは28日から10月1日までの同社の航空券の販売を中止した。10月1日までのチケットをキャンセルする場合は返済を請求できるほか、すでにキャンセル、遅延に巻き込まれた人は食事代や宿泊代、移動費などの請求が可能。
 ANACによれば、Webjetを含む航空会社6社に対し、乗務員の機内での超過勤務を警告していたという。