ニッケイ新聞 2010年9月29日付け
23日にサンパウロ市プレイセンターで起きたジェットコースターの事故は、センサーの故障との見方が強い様だ。軽傷とされた客も「鼻が曲がった」などと苦情を訴える中、鼻を骨折して手術を受けた11歳の少女は、顔面陥没も起きていたと28日付G1の記事。当事者側は軽傷と伝えて事故を過小評価させようとするのかも知れないが、被害者達は、顔や微笑などを含む従来の生活の質を取り戻せるか否かという切実な問題に直面している。
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メキシコのオアハカ州で28日未明、大規模な土砂崩れが発生した。数日間続いた豪雨で緩んだ地盤が幅200メートルにわたって崩れ、少なくとも300軒が土砂に埋まったとされている。住民の多くは就寝中だったと思われ、防災局は500~1000人が生き埋めとなった可能性があると発表。道路も寸断された上、悪天候で救出作業は難航している。年頭に地震被害の出たハイチでも水害で死者が出たと報告された後だが、ブラジルでも夏に向けた対策は?
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医者になるには医学知識だけで足りる―。一昔前なら通用する説だが、サンパウロ総合大学医学部のカリキュラム改革は「医学は生物学を基にした人間科学」との発想から。哲学や患者との対話などの講義も義務付ける改革は徐々に進行中で、保健所での診察や家庭訪問も含む保健計画での活躍が期待できそうだ。