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スペインで売春組織摘発=不法入国のブラジル人らも逮捕

ニッケイ新聞 2010年10月1日付け

 スペイン警察が9月30日、先週行われた売春組織摘発で、売春婦の呼び寄せや売春斡旋を行っていた犯罪組織関係者22人の逮捕と、被害に遭っていた売春婦ら18人の拘留を発表と30日付G1サイトが報じた。
 スペインでの売春組織は数十あるといわれ、8月31日にも売春斡旋や麻薬密売に係わっていたブラジル人9人を含む14人が逮捕されたばかりだ。
 今回逮捕された組織関係者は、仕事があるとメールで誘った被害者達をパリ経由で欧州入りさせた後、車で同国内に連れ込んでいた。旅費などの借金を抱える被害者は、不法入国のために同国内で正規の仕事にも就けないまま、体で返すよう要求する組織の言いなりになっていた。
 組織の被害者は男女100人を超えるとされ、09年4月に組織を抜け出して保護された売春婦ら6人の供述を基にした捜査には、ブラジル政府も協力。1年半かけた捜査の結果摘発された組織関係者の中にブラジル人がいたか否かは記載がないが、18人の売春婦達の多くはブラジル出身者だという。
 被害者の借金は2500~9千ユーロで、態度が悪いと科せられる罰金や電気代や電話代などの名目で徴収される種々の料金で、借金が更にかさむ事はあっても終わる事はない仕組みになっていたようだ。
 警察が摘発した7軒の家からは、現金7万4203ユーロと400グラムの大麻、精密な秤2台が押収されたという。
 スペインはブラジルからの移住者も多いが、売春などに係わる不法入国者も多い事が問題視されている。今回拘留された売春婦達も不法入国で、事情聴取後は強制送還される予定だが、これだけ頻繁に不法入国者摘発となれれば、欧州の空港などでの入国拒否最多はブラジルという事態を招くのも無理はない。

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