ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | サンパウロ市街角アートに注目=建物壁や柵、至る場所に=見慣れた景色に違う楽しみ

サンパウロ市街角アートに注目=建物壁や柵、至る場所に=見慣れた景色に違う楽しみ

ニッケイ新聞 2010年10月2日付け

 サンパウロ市イビラプエラ公園では9月25日よりビエンナーレ現代アート展の一般公開が始まったが、サンパウロ市では街中にもアート作品が登場。ストリート・ビエンナーレやMASP(サンパウロ美術館)の趣向を凝らした路上展示が注目を集める。連日エスタード紙がその様子を紹介した。
 9月末から旧セントロ地域を行き交う人々の目を楽しませているのは、ストリート・ビエンナーレだ。国際的に著名な芸術家7人が未発表の作品各2点、計14点を出展。作品は、コンセリェイロ・クリスピニアノ街からサンジョアン大通り、リオ・ブランコ大通りに展示されている。
 サンジョアン大通りの建物の壁に「指揮者(Manipuladores)」と題した巨大絵画を貼り付けたのは、パライーバ州出身のファビアーノ・ゴンペル氏。1200万人のサンパウロ市民を対象に、「美術展まで足を運ばない人たちにもアートを届けられる」とその実現を喜ぶ。
 見る人が気になるのは宣伝広告などを規制したシダーデ・リンパ条例だが、半年かけた交渉の結果、市当局から企画実行への認可が下りた。建物の持ち主に反対される、罰金を科されるなど、その準備には様々な懸念もあったようだが、9月22日に無事開幕。今月23日まで実施される。
 また、1日からはMASPに納められている芸術作品40点も路上へと飛び出す。対象は、ゴッホ、マネ、モディリアーニ、セザンヌなどの絵画で、もちろん模写によるレプリカだ。MASPから1・5キロメートル以内のジャルジンス区、コンソラソン区にある建物の壁や柵に飾られた作品は月末まで公開される。
 一方、イビラプエラ公園で開催中の現代アート展では、開会式が行われた25日、ペイントアートを手がけて同展にも出展するドジャン・イヴソン氏が、ヌノ・ラモス氏の空間アートの一部に落書きを残し問題に。3羽の生きたハゲタカを含む同氏の展示作品に反発し、動物保護の立場から「ハゲタカを解放しろ!」と書き込んでいる。
 また、Kboco氏のオブジェにも悪質な落書きが発見された。10万レアルかけて制作した作品を台無しにされた同氏は、主催側の管理の不備や対応の悪さを訴えているという。