ニッケイ新聞 2010年10月6日付け
ブラジル日本語センター(谷広海理事長)は9月26日に同センターで「第8回日本語祭り」を開催し、各地の日本語学校の子供たち、その家族ら約600人が訪れ賑わいをみせた。同祭では全伯日本語学校生徒作品コンクールの授賞式のほか、各種発表、報告会が行われ、日本語学習を通じた交流の機会となったようだ。国際交流基金サンパウロ日本文化センター、サンタンデール銀行の後援。
同祭では、同作品コンクールの授賞式を行うのが恒例。今年は、7組6部門に1074人から2106作品が応募された。
金、銀、銅賞で計175人が受賞し、当日はA組33人、B組37人、C組38人、D組22人、E組30人、特別組5人、初歩組5人が出席。板垣勝秀副理事長、諸川有朋理事らから賞状を受け取り、元気いっぱいの笑顔を見せた。
式の中で受賞の秘訣をインタビューされ照れてしまったのは、A組の絵画、硬筆、書道3部門で金賞に選ばれた山下健造くん(7、四世)。母の和美さんも、「おばあちゃんと一緒に日本語学校の勉強をして上手になりました」と嬉しそうだ。
作文を採点したジアデマ天理学園の今井恵実子教師は、「毎年日本語離れがみられるが、伝えたいものがしっかり伝わってくる」と講評。「生徒の作文には家庭でどれだけ日本語を使っているかがはっきり表れる。日本語学習には学校だけでなく、父兄や地域単位の協力が必要」と話していた。
午後には、アルジャー日本語学校による三味線演奏や、イタペセリカ・ダ・セーラ日本語学校とこいのぼり学園合同のYOSAKOIソーランの発表が行われた。
今年初めて盛り込まれたのは、センター主催「ふれあい日本の旅」参加者による体験談発表とJICA日本語学校生徒研修の報告会。ふれあい日本の旅で日本全国を回り小中学校などで日本の学生と交流したことが説明され、参加者は秋篠宮ご一家を訪問した際に発表したというカラオケ、ヒップホップダンスを披露した。
生徒研修に参加した山下泉エリナさん(16、三世)は「日本語を使いたいという大きな意欲に繋がった」とホームステイの思い出を語り、米田直美カーレンさん(16、四世)は「日本ではあいさつの仕方や時間を守る意識が違う」と、自身で実感した習慣の違いを紹介した。
センター内では一日中様々なイベントを開催。各地域の日本語学校などが担当して開いた書道や折り紙のワークショップ、古本市、煎茶道が来場者を楽しませた。日系企業などの寄付で集められた商品を前に、ビンゴ大会も盛況を博した。
▽ ▽
作品コンクール各部門の最優秀賞受賞者は以下の通り。作文=鐙野しずお、絵画=安楽香織、書道=ハンナ・マテンハウエル・パヴァネロ、条幅=伊藤秋男、硬筆=安楽愛、まんが・アニメ=中尾ていじ。