ニッケイ新聞 2010年10月7日付け
3日投開票の統一選挙でサンパウロ州議会議員に当選した羽藤ジョージ氏(62、PMDB)が5日午前、本紙を訪れコロニアの協力に感謝、来年に向けた抱負を語った。
市議7期目、3度目の挑戦で州議員当選を決めた羽藤氏。45日の選挙活動期間中、生まれ故郷のパカエンブーも訪れ、ペレイラ・バレット、アンドラジーナなど州境まで30都市以上を回った。「町に着いたら日本人会を訪れた」といい、日系社会の協力も大きかったと振り返った。
11年前、市議時代に酒類販売規制の法律(レイ・セッカ)を提案した時には反発も強く、その次の選挙では最下位で何とか当選したことも。今回獲得した約8万4000票のうち約7万票がサンパウロ市内で得たものだった。羽藤氏は「僕の仕事が理解してもらえたということだと思う」と喜ぶ。酒類規制の法案は現在、大サンパウロ圏の全ての市で制定され、他州にも広がりつつあるという。
今回連議に当選した安部順二氏以来、約8年間不在だった日系の州議が2人当選したことを「よかった」と喜び、政党は違うがもう一人の西本エリオ氏と「協力できる部分で一緒にやっていきたい」と話す。
州議としての抱負について、農業振興、鉄道網の整備に加え、「トレランシア(寛容)ゼロ」を掲げ、農村の安全、武器取締り強化などの治安対策の必要性を強調する。さらに、州内にある第二次大戦中に接収されたままとなっている日系人の施設について、返還運動に取組んでいく意欲を見せた。