ニッケイ新聞 2010年10月8日付け
サンパウロ州保税・一般倉庫公社(Ceagesp)の卸売り市場では、設備環境の不備により改修工事が行われることなり、改修工事期間中の取引に関して利用者の間では大きな懸念が広がっている。6日付エスタード紙が報じた。
検察局の要請で立ち入り調査を行ったラッパ区役所は、天井や柱のサビ、屋根の取り付け不備、配電線が露出している点などの環境設備の不備を指摘し、ただちに改修しなければ営業停止と言い渡した。
8月にも不動産使用取締役局(Contru)により防災設備上の問題が指摘されており、同公社は12月までに改修作業に取り掛かることを決定した。現時点では、改修作業対象となる敷地面積やその日程は未定。改修規模によっては市場全体の移転も必要だが、移転先の見通しもたっていないのが現状だ。
当然のごとく、市場利用者からは懸念の声が挙がる。サンパウロ州に流通する食品の6割を扱う同市場の1日の来場者は5万人、売上げは900万レアル。1100花卉栽培業者、600野菜栽培業者、300小売業者が販売を行っており、これらの業者は顧客の喪失に懸念を抱いている。