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南東伯への移住者が半減=北東伯の経済成長裏付ける

ニッケイ新聞 2010年10月12日付け

 1992年以降、北東伯から南東伯への移住者は減少傾向にあり、2009年の移住者比率は90年代の半分と10日付エスタード紙が報じた。
 応用経済研究院(Ipea)による1992年~2009年の移住実態調査の結果をLCAコンサルタントのファビオ・ロマン氏が分析したもので、92年~02年には北東伯の人口の1・5%を占めていた南東伯への移住者は、2008年には0・98%、2009年には0・85%に減少しているという。
 北東伯からの南東伯への移住については、一時的に逆転したものの、最近はまた流出過多と伝えられていたが、ファビオ氏の分析は、人口移動や南東伯での人手不足などに関して、新たな視点を与えるものとなった。
 北東伯からの移住者減少を最も実感しているのは、建設や商業などの分野で、ヴィアソン・イタペミリン社では、北東伯からサンパウロ州、リオ州への就業者は5年で10%減ったという。
 従来は、ボルサ・ファミリアなど、政府の社会政策の恩恵を受けている人々が恩恵を維持するために移住を避けていると考えられていたものが、実際には、北東伯や北伯での正規雇用の増加と所得拡大が、南東伯への移住を減少させているというファビオ氏の分析を裏付けるのは、2008~09年の雇用実態。
 全国平均31・5%、南東伯では43・4%の雇用減少を見た時期に、北伯で40%、北東伯でも12%の雇用増を見たというもので、「現在のサンパウロは旅行で行く場所」と位置づける労働者もいるほど。
 北東伯の建設現場では8月までの12カ月に、全国で増えた労働者33万1600人の35%に及ぶ11万6100人を雇用と報告されており、南東伯での建設や肉屋、パン屋などの人手不足は北東伯の好景気が原因との分析を実証している。