ニッケイ新聞 2010年10月12日付け
サンパウロ大都市圏で企画されているモノレール導入計画6件のうち、17号線(金色線)、16号線(銀色線)、2号線(緑線)、サンパウロ市南部と西部をつなぐモノレールの4件で住民らから建設反対の声が上がっている。10日付エスタード紙が報じた。
南部~西部の線ではMボイ・ミリン中心に3万人の反対署名が集められ、既に建設中で地下鉄2号線ヴィラ・プルデンテ駅からシダーデ・チラデンテス駅をつなぐエスプレッソ・チラデンテスでも、教会や地域団体が5万人の反対署名を集めている。
特に大きな論議を呼んでいるのはモルンビー地区を通る17号線。高所得層が集住する同地区住民らは、訴訟に持ち込む意向も示している一方、同地域に近いファヴェーラ・パライゾーポリスの住民は、移動に不可欠な手段だとして建設を主張しているという。
導入反対の理由は、景観の妨げ、動員数がメトロの3分の1と少ないモノレールを利用することの意義に疑問がある、導入決定前の住民側との事前協議が充分でなかったことなど。
最初に完成する予定のエスプレッソ・チラデンテスは2014年の運行開始で、日に50万人の利用を見込んでいる。