ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 郵政公社に新たな不正=予算以上の入札額で採決=色濃く残るエレニセ氏の影

郵政公社に新たな不正=予算以上の入札額で採決=色濃く残るエレニセ氏の影

ニッケイ新聞 2010年10月14日付け

 不正行為が報道されたエドゥアルド・アルツール・ロドリゲス・シウヴァ理事が先月辞表を提出した郵政公社で、今月に入り新たな不正疑惑が浮上した。家族ぐるみの政治汚職で官房長官を辞職したエレニセ・ゲーラ氏が役員を任命した同公社理事会では多くの不祥事が続いており、大統領府ではエレニセ氏と個人的な繋がりのあったダヴィ・ジョゼ・デ・マトス理事長、高橋ロベルト理事の解任も話し合われた。10~13日付伯字紙が報じた。
 今回問われているのは8月19日に競売が実施されたフォルタレーザ、サルバドール、サンパウロ、ベロ・オリゾンテ間の郵送業務。同競売への入札はトータル・リーニャス・アエレアスのみで、公社の提示する予算額を280万レアルも上回る4430万レアルで落札された。
 このルートの競売は前理事会の運営下で6月にも行われたが、トータル社一社の参加で、入札額が公社予算額を大幅に上回る額であったことからやり直されたもの。より低い入札額の提示が求められていたはずが、新理事会組織後2週間で再度実施された競売では、予算額以上のまま契約されている。理事会はエレニセ氏辞任前の9月15日に承認を下し、入札結果は統一選挙戦の翌日4日に官報で発表された。
 トマス理事長は、メディアの取材に対し「入札が少ない時は一般的だ」と例外的な契約額に違反はないと主張しているが、競売の過程で、マスター・トップ・エアライン(MTA)に関する一連の不祥事で辞任したエドゥアルド元理事が影で根回ししていたという事実も判明している。
 大統領府では、ジウマ氏の右腕を務めていたエレニセ氏絡みのスキャンダルだけに大統領選への影響の大きさを懸念しており、マトス理事長と高橋理事の処置についても、現段階では決選投票後に決定する意向を示している。
 エドゥアルド元理事が関係していたMTAと7月に交わされた4490万レアルの業務契約は正規の手続きを踏んでおり有効とされていたが、業務の遅延が問われ、5月から課された罰金は8月までに110万レアルに上っていた。MTAは経営悪化により9月27日から同業務を停止、契約は破棄されることになるようだ。