ニッケイ新聞 2010年10月15日付け
ブラジル世論調査・統計機関(Ibope)の調査によると、大統領選で決選投票を争う労働者党(PT)のジウマ・ロウセフ氏と民主社会党(PSDB)のジョゼ・セーラ氏の支持率は49%対43%で、その差は6%ポイントに縮まったと14日付エスタード紙が報じた。
今回の調査は決選投票前のテレビ政見放送再開後初めてのもので、第一次投票にあった有効票での支持率46・9%対32・6%の差14・3%ポイントは半分以下に減少。今回調査の白紙と無効は5%、未定は3%のため、有効票での支持率の差も53%対47%の6%ポイントだった。
地域別の支持率では、北東伯の57%対36%と北/中西伯の51%対43%でジウマ氏リードだが、南東伯は46%対44%で拮抗、南伯は41%対54%でセーラ氏が優位。第一次投票前には全地域でジウマ氏優位の時もあった事を考えれば相当な様変わりだ。
所得別に見た場合、1最低賃金未満の層ではジウマ氏57%対セーラ氏36%。2最低賃金未満も51%対41%だが、5最賃未満は47%対46%と拮抗、5最賃以上では41%対48%となっている。
学歴で見た場合、小中学校卒以下は50%対44%、高卒以下は46%の同率、大学以上では39%対50%。
これを裏付けするように、生活扶助受給者のジウマ氏支持率は9月の69%より落ちたものの61%を維持。政府の社会扶助を受けてない人の支持率は45%対46%と拮抗している。
興味深いのは、福音派信者の支持率41%を維持したジウマ氏に対し、セーラ氏が25%から52%に急伸し逆転、カトリック信者の支持率も52%対41%と差がかなり縮まった事。ただし、生活扶助家庭に限った場合、福音派のジウマ氏支持はやや減ったものの、カトリック信者の支持率は変化なしという。
Ibopeによれば、緑の党(PV)のマリーナ・シウヴァ氏が獲得した福音派やカトリック信者の票はセーラ氏に流れる傾向にあり、ジウマ氏支持からセーラ氏支持に転じた回答者は、セーラ氏からジウマ氏へのケースより多いという。
一方、13日に話合いの場を持ったPVは決選投票での支援候補を絞りあぐね、17日の会議でも、各自の判断に任せるという方針に落ち着く可能性が高まった。
支持政党では30%を占めていたPTが23%に減少。PT支持者でジウマ氏に投票と答えたのは88%で、全体の6%を占め93%がセーラ氏に投票と答えたPSDB支持者より低率だ。全体の5%だった連立与党の民主運動党(PMDB)支持者は32%対59%でセーラ派が多かった。
14日発表のSensus調査では有効票の支持率は52・3%対47・7%で、4・6%ポイント差となっている。