ニッケイ新聞 2010年10月15日付け
勝ち負け抗争を描いた『コラソンエス・スージョス』(フェルナンド・モラエス著)が、ブラジル人監督の手により映画化され、来年4月に公開される。
コロニア自身も暗部として触れてこず、憶測が文字となってきた。実行犯の証言が公となったのは、『百年の水流』(外山脩著)がほぼ始めて。
野村忠三郎殺害事件などを証言した山下博美氏が今月10日に亡くなった。外山氏によれば、「読んだがデタラメだ。取材で話を聞かれることさえなかった」と話していたという。
生前、山下氏は映画化について、「書かれたものが間違っているのに、正しく伝わるわけがない」と不愉快そうな表情を見せていたとか。
当時の空気を知りながらも口を閉ざしてきた歴史の目撃者らはまだ多い。どんな思いで映画を見るのだろうか。(剛)