ニッケイ新聞 2010年10月20日付け
2014年のサッカーW杯ブラジル大会までに完成が期待されていた、サンパウロ市セントロとグアルーリョス国際空港をつなぐ鉄道「エスプレッソ・アエロポルト」建設計画を諦めていたことを、アルベルト・ゴールドマンサンパウロ州知事が18日に正式に認めたと19日付け伯字紙各紙が報じている。
サンパウロ州知事選でのアルキミン氏当選と大統領選の決選投票との間というタイミングで、「連邦政府が同国際空港の第3ターミナル建設を決定しないから」との理由をもって同計画は中止された。
これは官民合同事業(PPP)として構想され、昨年第2四半期に参加企業が公募されたが、途中で司法当局から中止命令が出され、宙に浮いた状態にあった。
州政府の見かたによれば、連邦政府は空港第3ターミナル建設を明確化させないために新交通機関の採算がとれるかどうか見通しが立たない状況になっており、その停滞した機運が参加企業の投資意欲を削いでいるという。「第3ターミナルができれば1800万人の利用増が見込まれ、年間の空港利用者3千万人となる。この人数でないと採算は見込めない」と同知事。
州政府は代わりに、メトロ・ツクルビー駅と同空港を結ぶ専用バス路線を12年に開通させる予定としている。