ニッケイ新聞 2010年10月21日付け
国際交流基金サンパウロ文化センターの〃顔〃だった高橋ジョーさん(57、二世)が今年9月、日伯を結ぶ文化事業プロダクション『道 DO CULTURAL』を設立した。文化交流促進に関する企画の立案、コンサルタント、広報業務(日ポ両語)を行う。現在、同基金の文化芸術特別顧問でもある高橋さんは、「基金で得たノウハウを企業、団体に提供できれば。日本文化をブラジルに紹介するだけでなく、ブラジル文化を日本にも発信したい」と様々な企画を練り上げている。
高橋さんは53年、サンパウロ州グァララペス市生まれ。マッケンジー大学建築都市計画学部卒、USP建築学部大学院修士課程終了。
北海道費研修から帰国後、通訳の仕事に携わったことから、交流基金に勤務。文化芸術部長として勤務する傍ら、USPで建築学を教えた。
08年の日本移民100周年事業では、日本文化週間のキューレターを務めた。広報活動や企業との橋渡しをするなかで、文化事業プロの設立計画を温めてきた。
「100周年の影響でブラジルは日本文化を受け入れる土壌がある。経済的にも勢いがある今、企業とタイアップし、幅広く文化普及ができるのではないか」と話す。
第1回目の企画としては、今年の黒澤明監督生誕100年を記念し、映画と食文化の接点を追及するグルメフェスだ。
『黒澤ア・ラ・カルト』と称し、巨匠が愛した和牛料理を「らん月オブ東京」(Av Reboucas 1394)で今月末から開く。
その後も京都から専門家を招く講演・展示会「風呂敷の美」、日系人シェフの執筆による料理本の出版、災害に見舞われたイーリャ・グランデ島の観光資源修復企画、ボサノヴァ歌手小野リサコンサート、漫画「美味しんぼ」ポ語出版など、ユニークな企画を進めている。
「道 DO CULTURAL」は、サイト(www.docultural.com.br)、ブログ(www.jojoscope.com.br)でも様々な文化情報を発信している。