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旅行者狙った誘拐犯逮捕=米国総領事館周辺で暗躍=ビザ申請者らを連日襲う

ニッケイ新聞 2010年10月22日付け

 サンパウロ市南部シャッカラ・サントアントニオにある米国総領事館周辺で、ビザ申請者らを狙って暗躍していた誘拐犯3人が逮捕されたと21日付エスタード紙が報じた。
 ここ3カ月間で最低40件の被害が報告されていた電撃誘拐は、ビザ申請のために米国領事館を訪れる旅行者らを狙ったもので、背広にネクタイ姿で近づいた犯人達に制圧された被害者は、車ごと連れ去られ、クレジットカードや銀行カードと暗証番号を使って預金を引き出されたりするなどの手口が全件共通。
 相次ぐ被害に捜査を開始した警察は、現場付近に設置されている防犯カメラの映像から容疑者を割り出し、被害者に面通しを依頼。
 捜査開始から約1カ月後の14日、総領事館に恋人を連れて行った29歳の男性が再び襲われたが、容疑者を追って付近に張り込んでいた警察官らが被害者の車を尾行。
 マルジナル・チエテで被害者を解放した犯人らは、被害者の車でモルンビーに向かったが、そこに置いておいた別の盗難車に乗り換えようとしたところで逮捕された。
 現場で取り押さえられたのは、ラエルテ・ピニェイロ・テイシェイラことカベッサ(21)とエリクソン・レアンドロ・F・デ・ソウザ(26)の2人。被害者から奪ったカードで現金を引き出す役だったマルシーリオ・カルロス・デ・オリベイラ(34)も、続けて逮捕されている。
 逮捕された3人組は犯行は今回が初めてと言っているが、実際には面通しに応じた被害者8人が犯人に違いないと供述。
 14日の事件の場合、逮捕された2人が所持していた38口径の銃器1丁のほか、被害者の口座から引き下した現金1千レアル、携帯電話2台、時計が押収され、被害者に返却された。
 警察によると、同様の事件は過去3カ月の間、1日1件の割りで起きていたといい、現金の被害は平均1千レアル。被害者が身につけていた貴金属類を奪い、銀行口座から現金を引き落としたりした他、ブランド物の衣類などをクレジットカードで買った例もあり、届け未提出の被害者も相当数いると見られている。 銃を突きつけられ、車ごと連れ去られた被害者達は、マルジナル・チエテや同ピニェイロスで解放されており、極めて組織的な犯行だと供述。暴行された例は報告されてないようだが、心に残る精神的な傷は大きい。

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