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大耳小耳

ニッケイ新聞 2010年10月23日付け

 書道愛好者展に出品された作品を、掛け軸に仕立てる表装の作業は、毎回根本碧水さん(93歳)、妻の布美さんが主に行う。碧水さんは「半紙は伸ばすと破れ、力を抜くと皺が出来る」とその繊細さを話す。技術は独学で身につけ、ブラジルには適した材料が少なく、裏紙、糊は遠方まで買い付けに行く。今回は数人の手助けで1カ月前から作業を始めた。「掛け軸がないと展示は出来ませんから」と笑う布美さん。縁の下の力持ちの存在を忘れてはいけない。
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 サンパウロ市モッカ区の読者のところに、エレトロパウロ職員を名乗る40歳ぐらいの白人男性が今週訪れ、「問題が起きたから中を見たい」というので家の中に入れたところ、強盗に早変わりし、手持ちの160レアルを奪われたと編集部に電話があった。現在86歳の戦前移民の女性読者は、「一人暮らしの年寄りを狙っているよう。絶対に家の中に入れないほうが良い」。読者のみなさん、少しでも不審な点がある訪問者は家に入れないように気をつけて。
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 現在開催中の「第34回サンパウロ国際映画祭」では、日本からも多くの映画が出品されている。「京都太秦物語」(10年、山田洋次、阿 部勉)、「アウトレイジ」(10年、北野武)、「ロスト・パラダイス・イン・トーキョー」(10年、白石和彌)、「空気人形」(09年、是枝裕和)、「キャタピラー」(10年、若松孝二)など。詳しくは、サイト(br.mostra.org/)まで。