ニッケイ新聞 2010年10月28日付け
アマゾナス州マナウス港付近のネグロ川では、24日に108年ぶりの低水位である13メートル63センチを記録したと25日付伯字紙が報じたが、例年にない旱魃は産業活動にも深刻な影響を及ぼしているようだ。
その一例はフリーゾーンもあるマナウス周辺で頻発する停電。停電の報道は9月のサイト情報などでも繰返されており、学校が授業を中止して生徒を帰宅させた他、商店などでも、商品や機材の損害や顧客の不満が広がり、販売実績が低下などの声が噴出している。
今月22日付サイトには、アマゾン川の水位低下のため、エレトロブラス社アマゾナス・エネルジア(以下、AE)マウア発電所では、4つの発電機が1週間以上停止しているとの報道もある。
AEでは、水冷式の発電機の代わりに、空冷式の発電機12機を投入。マウア発電所では既に70メガワットの発電が開始されており、24日からは更に70メガワットを増発。11月1日からは発電量を更に30メガワット増やすという。
AEのペドロ・オスケン理事は、現在の発電能力は10月末までに1700メガワットに拡大される他、11月末完成予定で50メガワットの発電可能なイランドゥーバ発電所もマナウスへの電力供給を行うという。
ただ、同地方の電力については、発電量は足りていても配電施設が旧態依然で、年約6%(09/10年は14・2%)の需要増に対応できていないと指摘されており、改善が急がれる。
水運が頼りの同地方では、モーター付きの船の運航が困難で飲用水や食料の空輸が必要な地域がある他、マナウス港で使用するコンテナを積み上げた河岸の地盤が不安定になって崩れるなど、旱魃の影響は、工業、商業、運輸など多岐に亘って出ているようだ。